予防・メインテナンス
Medical
予防・メインテナンス
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永久歯は、上顎14本+下顎14本で合計28本あります。(親知らずを入れると32本です。)
皆様は現在ご自分の歯が何本あるかご存じでしょうか?
永久歯28本のうち、治療をしていない健康な歯の本数、治療済みの歯の本数、抜歯した本数を完全に把握している方は意外に少ないのではないでしょうか。
予防への第一歩として、まずは自分の歯を知ることからはじめてみませんか?自分の歯を知ることが大切な歯を守ることにつながります。
歯科治療が終了した後も生涯健康な歯と口の環境を維持するためには、歯科医院で定期的に歯周病の検査や口腔内写真撮影、レントゲン診査、バイオフィルムの除去などを行うことが必要です。虫歯は削って詰めたり被せ物を入れれば終わりではありません。その部分は日常的に虫歯になりやすい環境のため、治療後に以前と同じホームケアでは、虫歯が再発する可能性が高いのです。また、歯周病は治療により治癒または病状が安定していても再発しやすい病気です。虫歯も歯周病も、再発を防ぎ健康な状態を維持するためには、定期的に歯科医院で検査をして、歯科衛生士によるメインテナンスを受け、ホームケアの不備を教えてもらうことが大切です。
痛くなったら治療の繰り返しは、いずれ歯を失うことになります。大切なのは、歯を失う前に原因に対して対処することです。つまり、虫歯と歯周病をどう防ぐのかが重要です。
バイオフィルムというのは歯科に限定された用語ではありません。たとえば、キッチンのシンクの「ヌルヌルした付着物」もバイオフィルムです。「無数の細菌によって形成される構造体」であれば、どんな場所に存在していてもバイオフィルムと呼ばれます。固体・液体の表面に付着するので、膜状の構造をしています。
バイオフィルムを構成しているのは菌体だけではありません。「タンパク質」「多糖類」など、細菌が分泌した物質が細菌の隙間を埋めています。バイオフィルムの中で生きる細菌同士は共存関係にあり、「細菌の街」のような状態です。
口腔内には、付着対象の固体(歯)があり、豊富な水分(唾液)が存在します。しかも、定期的に養分(食べ物)が供給されますから、細菌がバイオフィルムを構成する場所としては条件が揃っており、バイオフィルム形成に適した環境といえます。
食後8時間ほどで歯垢が生成されるといわれています。そして、約48時間で、歯垢が歯石に変わります。歯石になってしまうとホームケアでの除去は難しいので、「歯石になる前に、なるべく早くバイオフィルムを除去する」ということが重要です。
バイオフィルムは歯の表面に付着しているので、洗口液でのうがいで落とすことは困難です。とはいえ、ブラッシングなどで物理的に除去できるため、日々のホームケアを継続することが大切です。
しかし、歯と歯の間など、どうしても歯ブラシが届きにくい所が存在するので歯ブラシだけのセルフケアで、バイオフィルムを落としきるのは困難です。デンタルフロスや歯間ブラシなどを併用して、細かい部分までしっかりとケアするようにしましょう。また、歯科医院でのメインテナンスでプロフェッショナルケアを受けていただき、バイオフィルムを除去しましょう。
虫歯のチェック、嚙み合わせチェック、義歯や被せ物の適合チェック、歯垢の染め出し
※お使いのホームケア道具を持参いただくか、こちらからご提案したものを購入していただきます。
歯周病の重症度やホームケアの状態などによってひとりひとりに合わせて決めていきます。
一般的に治療前の状態が悪かった場合やホームケアがあまりできない場合は、1~2ヵ月毎、歯周病の状態やホームケアに問題がなくても3~6ヵ月毎のメインテナンスをお勧めしています。
PMTCとは、歯科医師や歯科衛生士といった専門家が(Professional)、専用の器械を使用して(Mechanical)歯を(Tooth)磨く(Cleaning)ことです。専用の器械を使い、ホームケアでは落としきれない汚れや歯垢を除去すると同時に、表面をツルツルに磨くことで歯垢がつきにくくなり、虫歯や歯周病の予防になるというメリットもあります。
PMTCで歯をクリーニングすると、虫歯や歯周病の原因となるバイオフィルムの除去が可能です。バイオフィルムはヌルヌルと粘着性が高く、菌が密集しているため抗菌剤などの薬剤が届きません。歯みがきや洗口剤だけでは落としづらく、専門的な処置が必要なのです。また、コーヒーや紅茶、緑茶、赤ワイン、タバコのヤニなどによる頑固な着色汚れも落としきるので、健康的で美しい歯本来の白さを取り戻すことができます。
PMTCは、病気の原因を徹底的に除去して、健康な口腔環境を維持することを目的として行われます。セルフケアでは除去しきれない汚れを取り除くことで、高い予防効果が得られると言えるでしょう。